イジワルな彼とネガティブ彼女
離れてしまった
結局、お風呂入ってそのまま泊まってしまった。


一線を越えたからといって、本田さんの態度が変わることはなく。


今まで通りの、私をリードしてくれる本田さんだった。


元カノたちが残していったと思われる化粧品や部屋着があったり、そういう無頓着なところも本田さんらしかった。


普通なら、そういう残骸をみつけたらケンカになるんだろうけど、不思議と怒る気にならなかった。


たぶんどこかで、本田さんの気まぐれで一晩過ごしただけだと思っていたからだと思う。


昨日はあれからチーズとワインを堪能して、たくさん話した。


ほとんどは仕事の話だったけど。


どうして私が今まで未経験だったのかは、聞かれた。


翼くんにしたように、淡々と話したつもりだった。


だけどなぜか、途中で涙声になってしまい。


本田さんが優しく肩を抱いてくれた。


「つらかったな」


私の悲しみに寄り添ってくれたようで、嬉しかった。



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