イジワルな彼とネガティブ彼女
翼くんは、つきあう前と同じように私に接してくれてる。


そうだ、渡そうと思って持ってきた名刺入れ、どうしよう。


もらってくれるわけないけど、持っていても仕方ないしな。


「・・・というわけで、先方から明細が今日届くはずです。


高橋さん、聞いてますか?」


「え、あ、うん、聞いてます」


・・・名刺入れのこと考えてて、聞いてなかった。


「先方から明細が届く予定です」


「はい、了解です」


仕事の引き継ぎ終わったよね、じゃあ。


「翼くん、これ・・・クリスマスプレゼント」


「莉子さん、なんでこのタイミングで?」


「え、仕事の話が終わったからだけど?」


「違いますよ、俺たちもうつきあってないのに」


翼くんは、こらえていたのに耐えきれず笑い出した。


「そういう抜けてるとこも、好きなんだけどな」


さみしそうにうつむく顔。


「傷ついたらいつでも、戻ってきていいから」


「ありがとう」








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