イジワルな彼とネガティブ彼女
甘い時間はあっという間に過ぎてゆき、車で空港へ向かう楓さんとはマンションのエントランスで別れた。


一人になると、急にさみしさが押し寄せてきた。


北風が強くて、体を縮めながら自宅へ帰った。


31日に実家へ向かって、2日に東京へ戻る予定しかない私は、明日までなんとなく部屋を片づけようと考えながら歩いた。



実家では、年越しの瞬間も寝ていたし、普段寝不足気味なのを解消するように寝てばかりいた。


両親はあきれていたけれど、何も言わなかった。


私は、顔を合わせれば結婚の話題になるだろうし、そうなったら楓さんのことを話さなきゃならないと思うと、憂鬱で仕方なかったから、寝てばかりいた。


2日夕方、行きよりも多い荷物を持たされ、鎌倉から東京へ戻った。


自分の部屋に戻ると、狭いけど落ち着いていて、荷物を片づけると寝てしまった。

< 165 / 235 >

この作品をシェア

pagetop