イジワルな彼とネガティブ彼女
合コンにも誰かとつきあうことにも興味はなかったけど、どうしても、と頼まれて参加した。


男性4人の中で、たまたま隣に座った人がたくさん話しかけてくれて。


意気投合した私たちは、後日あらためて二人で会うことになった。


待ち合わせ場所に行ったら、彼はなかなか来なかった。


私は、2時間待ち続けた。


もちろん、電話もメールもしたけれど、連絡が取れなかった。


14時を過ぎ、いい加減おなかもすいたから、あきらめて帰ろうと駅の改札へ向かった。


その時突然、私の目の前に男性が一人立ちはだかった。


「2時間かー、がんばったねー」


「えっ?」


「俺たち賭けてたんだよ、何時間待つか」


よくよく顔を見たら、合コンにいたメンバーの1人だって気づいた。


「俺たちが飯食って戻ってきても、まだいるんだもんなー。


今時すげー根性すわってんじゃん」


ケラケラ笑っていた。


たぶん彼も、どこか物陰に隠れて今の私を見てると思うと、恥ずかしくて消えてしまいたかった。







< 17 / 235 >

この作品をシェア

pagetop