イジワルな彼とネガティブ彼女
帰り道、自転車に乗りながら、足立くんに言われたことを考えた。


意識しだしたら、止まらなくなった。


楓さんは、ライバル企業の課長で、しかも大手で。


私とこのままずっとつきあっていても、きっと結婚には結びつかない。


結婚しないのにつきあうことは、10代なら当たり前だけど、もうすぐ30歳になる私には負担になりすぎる。


私は、どうしたらいい?


楓さんは、どう思ってる?


楓さんに会って、ふれて、いまの不安な気持ちをぶつけたい。


それでもし、楓さんと気持ちがすれ違うようなら、あきらめるしかない。


・・・ここまで考えて、ふと気がついた。


私って、楓さんと結婚したいって思ってるんだ。


自分で驚くほど、無意識にそこまで考えてたんだ。


でも、楓さんは絶対に、私との結婚なんて想像もしてないはず。


それなら、結婚なんて意識してないふりをしよう。


その方がお互いのためになるはず。


そう決めて、自分の想いを心の奥底に閉じこめた。





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