イジワルな彼とネガティブ彼女
「きっと、悪い話だと思うよ」


「でも、このままだと身動きとれなくて、莉子さんが苦しいだけですから」


足立くんは私を抱きしめていた腕をほどくと、私の頭を優しくなでてくれた。


「つらかったら、いつでも俺に頼ってくれていいから」


頭をなでられると、イヤでも楓さんの手を思い出してしまう。


「もうだいじょうぶ、明日も早いし、帰ろう」


楓さんの感触を振り切るように、立ち上がった。


足立くんはまだ何か言いたそうだったけど、一緒に立ち上がって私を家まで送ってくれた。



翌朝会社に着くと、みんなが掲示された紙の前で集まっていた。


ここに掲示されるってことは、誰か異動するのかな。


「足立くんおはよう、どうしたの?」


「おはようございます、高橋さん大変ですよ」


「えっ?」


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