イジワルな彼とネガティブ彼女
楓さんと足立くんで話し合った結果、よく行く定食屋さんに決まったみたいで、4人で入った。


「いらっしゃいませー、何名様?」


「4人です」


「ごめんなさいね、4人席あいてないから、2人ずつでお願いします」


確かに、店内はほぼ満席で、あいているのはカウンターの2席と、相席になるテーブル席しかない。


「足立くん、私とあっち座ろう」


美和は状況をすばやく判断して、足立くんを引っ張るようにテーブル席へ向かい、


「相席失礼しまーす」


と同じテーブルになったおじさんに挨拶してた。


美和ってば、気をつかったつもりだろうけど、迷惑だよ。


軽くにらみながら美和たちの様子をうかがっていたら、


「俺たちはカウンターに座るか」


楓さんは、さりげなく私の肩を抱くようにうながした。


やめてよ、そういうの。


今までの彼女たちは、そういうのを喜んでたのかもしれないけど、今の私はちっとも嬉しくない。


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