イジワルな彼とネガティブ彼女
楓さんの手から逃げるように、カウンター席に座った。


楓さんはメニューをながめながら、


「何がうまい?」


と私に聞いてきた。


「・・・アジフライです」


「莉子は決まった?」


「はい」


「すみません、アジフライふた・・・」


「しょうが焼きお願いします」


「はい、アジフライとしょうが焼きね」


店員さんは、注文を受けて厨房へ向かった。


本当は私も、アジフライ食べたかったけど。


楓さんに抵抗したい気持ちでいっぱいだった。


「莉子もアジフライかと思った」


「勝手に決めないでください」


「さっきのメモ見た?」


「拝見しました」


「待ってるから」


「行きませんので、待たないでください」


「なんだよそれ、ずっとそうやって突っぱねるつもりかよ」


「はい」


「じゃあ、今日じゃなくてもいいから、必ず来いよ」


「行きません」





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