イジワルな彼とネガティブ彼女
会議室を出ていこうとする足立くんを、あわてて追いかけた。


でも、足立くんはドアのすぐそばに座っていたから、あっさりドアは開いてしまった。


そこにはなぜか、待っていたように楓さんが立っていた。


「宣戦布告しておきました」


足立くんは楓さんに、確かにそう言った。


「足立くん、ちょっと待ってってば」


楓さんがいるのも気にせず、私は足立くんに聞いた。


「宣戦布告って、どういうこと?


誰と誰が戦ってるの?」


「高橋さん、そろそろ今の状況に気づいてください。


僕も本田さんも高橋さんのことが好きだってことです。


もっとわかりやすく言えば、三角関係だってことです」


「・・・やだなもう、そんな冗談言わないでよ。


足立くんは知らないのかもしれないけど、楓・・・じゃなくて、本田さんは結婚を考えてる人がいるんだって」


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