イジワルな彼とネガティブ彼女
「とりあえず、3人で会議室入ろっか」


楓さんは冷静に割って入ってきた。


会議室は、うちの会社が入っているフロアの端にあって、デスクがある部屋とは廊下で区切られている。


でも今は廊下で話しているから、誰かに聞かれてしまう可能性はある。


「あのさ、この際ハッキリさせてもらうけど、莉子が俺の話を聞かないから、こんな風になったんだからな」


「本田さん、高橋さんは展示会の時のことを気にしてるんですよ」


「しょーがねーだろ、あの時はああするしかなかったんだ」


「あの・・・よくわからないんですけど、どうして三角関係になるんですか?」


「莉子、本気で言ってんのか?」


「高橋さん、今さらそれはちょっとヒドイですよ」


二人に責められ、たじろぐ私。


「だって、本田さんは展示会でキレイな女性と歩いてたし、足立くんも見たでしょ?


結婚を考えてる人がいるって聞いたし。


足立くんが私を気にしてくれてるのも、私がミスばかりしてるからでしょ」


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