イジワルな彼とネガティブ彼女
エピローグ
「高橋、俺が持つから座っとけって」


「はい、すみません」


「ったく、おとなしくしてろっつーの」


「本田さんは心配症で、高橋さんのこと溺愛してるんですから、あきらめたほうがいいですよ。


実はこの前も、本田さんが・・・」


「足立、それ以上言ったらブッ飛ばす」


「これからがおもしろいとこだったんですけどね」


足立くんは、肩をすくめて私に笑いかけてきた。



楓さんと出会ってから、一年以上の月日が流れた。


楓さんと私は、それぞれの両親への挨拶をすませ、去年の12月に入籍して、ごく親しい人だけで披露宴をした。


去年の夏にSFYの社屋に引っ越して、楓さんは開発部の部長補佐になり、私は課長補佐になり、足立くんは主任になった。


そして、もうすぐ夏期休暇に入る8月初旬の今、私は大きなお腹を抱えながら仕事をしている。
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