イジワルな彼とネガティブ彼女
「さてと、これからどうする?」


「今日はありがとうございました、失礼します」


本田さんは、あきれた顔で見下ろしている。


「高橋、俺がいま言ったこと聞いてた?」


「はい、でも私は、帰ってからやることがありますので」


「高橋ってさ、なんでそんなに突っ張ってんの?


俺は、偶然知り合った同業者と親睦を深めたいわけ。


なのに高橋は、いつでも逃げられるように、一歩後退してるように見えるけど」


「どのように受け止められても構いませんが、私は本田さんと親睦を深めたいとは思っていませんので」


「あのさ」


「はい」


「一人で考えたり悩んだりするのもいいけど、たまには複数で話しながら相談しあうのもいいんじゃねーの?」


「相談、ですか?」


「さっき、売り場に立ってた高橋見たら、こいつ一人で抱えこんで悩んでんじゃねーかな、って思っちゃったんだよな。


だから、俺でよければ相談にのるよ、ってこと」







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