イジワルな彼とネガティブ彼女
楽しんでしまった
本田さんが連れて行ってくれたのは、路地裏の地下にあるワインバーだった。


「腹減ってるなら、ピザでも頼むか」


「お任せします」


慣れた感じで店員さんを呼び、注文を済ませると、


「高橋は展示会で、何を担当すんの?」


・・・いきなり本題ですか。


「ボールペンです」


「偶然だな、俺もボールペンとシャーペン」


・・・最悪だ、こんなヤリ手な人とかぶるなんて。


「うちは、さっき見てたディスプレイは基本変えるつもりはないんだけど、展示会に来てくれた人だけ、っていうスペシャル感を出そうと思ってんだよな」


「はぁ・・・そうなんですか」


「高橋は、なんか考えてることあんの?」


「うちは予算も限られてますので、ターゲットを絞って狙い撃ちしようかと思っています」


「狙い撃ちか、いいんじゃねーの?」


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