イジワルな彼とネガティブ彼女
再会してしまった
家に戻って、改めて鏡をのぞいた。


地味な顔が、ますますひどくなっている。


さっきは気づかなかったけど、アゴには薄紫のアザまであった。


顔もひどいけど、服はスウェットだし、もちろんスッピンだし。


今までで一番最悪の姿を、今までで出会った男子の中で一番最高のイケメンに見られて笑われた。


ほんっと、私ってツイてない。


だけど、誰に見られたって笑われただろうし、もう彼に会うことはないし。


もし、歯が欠けていない普段の私と彼が、同じシチュエーションで出会ったとしても、彼に私みたいな女が釣り合うはずがないんだ。


まるで、自分で自分を慰めるように、納得させた。


とりあえずシャワーを浴び、髪をセットして化粧して、マスクをした。



< 8 / 235 >

この作品をシェア

pagetop