イジワルな彼とネガティブ彼女
確かに、デザインや色使いは海外独特のもので。


ふたりで、これは真似したくなるね、こんな色もあるんだ、なんて盛り上がりながら話していた。


その時突然、肩をポンポンとたたかれて、振り向いたら、


「高橋じゃん、後輩と仲良く買い物?」


本田さんがニヤニヤしながら立っていた。


「・・・こんにちは」


「なんだよお前たち、つきあってんの?」


「どうして本田さんにそんなこと言わなきゃいけな・・・」


私の声をさえぎるように、


「俺たち、つきあってます」


翼くんがキッパリ言った。


「へぇー、まあ公私混同しないように、気をつけろよな」


本田さんは万年筆のインクを手に持っていた。


万年筆、使うんだ。


「公私混同なんて、するわけないです!」


「そんなムキになんなくたっていいだろ」


本田さんは、あきれた様子でレジに向かった。


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