イジワルな彼とネガティブ彼女
帰り道、歩きながら考えた。


世の中の女子は、きっと今日みたいなシチュエーションなら、最後までいくんだろうな。


私はやっぱり、普通じゃないんだ。


何も困ることはないのに、どうしても踏みとどまってしまう。


「自分でこじらせてるよなぁ・・・」


暗い部屋にたどり着き、しんしんと冷えた重い空気に気持ちまで沈みこむ。



翌日の月曜日。


休日を一緒に過ごした翼くんと、会社でも会うのがなぜか気まずい。


翼くんはいつもと変わらないようにみえたけど、ふたりともよそよそしかった。


もちろん、お昼休みは美和に拉致され、こと細かく追求された。


美和の感想は一言、


「すればよかったのに」


だった。


「だって、早すぎない?」


「早すぎないでしょ、『出会ったその日に』でも驚かれる時代じゃないし。


莉子は、今までが長かったんだから、変に延ばしたら余計にタイミングつかめなくなるよ?」


「でも、なんかふたりして焦ってる感じだったから」


「じゃあ、クリスマスにしちゃえば?


ただ、よければいいけど、何かあったらクリスマスのたびに思い出すことになるけどねー」


美和はニヤニヤしながら、パスタを口に運んでた。








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