イジワルな彼とネガティブ彼女
「なんかあった、じゃないです!


どうして本田さんが、私の治療費を払うんですか?」


「どうしてって・・・俺の不注意でおまえの歯が欠けたんだし、別に普通じゃない?」


「普通じゃないです!


とにかく、お返ししますので、今日どこかでお会いできますか?」


「おまえ、歯医者の近くにいんの?」


「そうですけど」


「すぐ出るから、そこで5分待ってろ」


ツーツー、と一方的に電話が切れた。


「何よもう、いつもいつも勝手なんだから・・・」


夜空を見上げたら、冬の星座がキラキラしてた。


きっちり5分後、1台の高級車が目の前に止まった。


ウィーンと助手席の窓が開いて、本田さんの顔が見えた。


「乗れよ」


「結構です、今はこれしか持っていないので、足りなかったら言ってください」


お金の入った封筒を窓から渡そうとした。


「送ってくから乗れって」


「乗りたくありません」


「乗らないと受け取らねーぞ」


しぶしぶ助手席に乗りこんだ。











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