イジワルな彼とネガティブ彼女
普段使うもの、と思って聞いてみたら、ネクタイやドレスシャツはいくつあっても困らないからオススメですよ、と何点か組み合わせて持ってきてくれた。


その中で最初に目に飛びこんできたのは、白地に青のストライプのシャツに、紺地に赤い小花がたくさん入ったネクタイの組み合わせだった。


ストライプも細いのと太いのがあったり、小花模様もよく見ないとわからない繊細さで、遊び心があって好きになった。


でも、これが似合う人として真っ先に思いついたのは、翼くんじゃなくて本田さんだった。


数えられるほどしかスーツ姿を見ていないけど、いつもどこかかわいらしい色や模様を取り入れていた。


なんでそんなに記憶があるのかというと、私は初対面の人と目を合わせて話すのが苦手で、でも横を向くわけにもいかないから、いつも襟元のネクタイの結び目あたりに視線をおいていたからだ。


・・・って、なんで私、翼くんより先に本田さんのプレゼント考えてんの?


でも、一度そう思ってしまったら、これしかないって決まってしまい、目が離せなくなった。




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