イジワルな彼とネガティブ彼女
もうすぐクリスマスだから、いたるところがイルミネーションだらけで、まぶしいくらいだ。


隣の席に置いた紙袋を見て、本田さんの方が大きいのが気になった。


でも、あのネクタイとシャツは本田さんに似合うって、一瞬で決まっちゃったから仕方ない。


店員さんも、この組み合わせはデザインを重視されるようなお仕事の方に向いています、って言ってたし。



お待たせいたしました、ってコーヒーが運ばれて。


かわいいカップを少しながめてから、コーヒーを一口飲み。


顔をあげて、大通りをぼんやりとながめていた。


その時、目の前を本田さんが横切った。


えっ、これって、すごい偶然じゃない?


ちょうどいいや、少し早いけどプレゼント渡しちゃおう。


紙袋を手に取り、席を立とうとしたら。


本田さんは、知らない女の人と話していた。


とっても、楽しそうに。


そのまま二人で並んで歩いて、視界から消えていった。


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