サイコパスゲーム
「え...なに、なんの声...?」

いまにも泣き出しそうな声色で、舞美ちゃんが呟く。

その問に、誰も答えない。

だれも認めたくなかった。


「なんなの...ほんと...このゲーム...、

本当に、もうイヤっ!」


舞美ちゃんはしゃがみこみ、わぁっと泣き出す。

それを、数人がなだめた。


あたしたち、元自殺志願者たちは一様に、黙って俯いていた。


『ガーッ、トントン。

___失礼致しました。

只今、ブース内で暴動がございまして、そちらの取り押さえにかかっております。


申し訳ございませんが、もうしばらくお待ちくださいませ。

......ブツッ』


そんな放送が入り、ブース内は騒然とする。

あちこちから、取り押さえって?と声が聴こえてくる。


あたしも分からなかった。

ただその状況に、じっと耐える他なかったのだ。

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