サイコパスゲーム
ぼーっと突っ立っていると、肩に軽い感触が触れた。


べにだった。


「どうしたの、べに?」
「ヤバくね?!」
「......なにがよ」


この子、本当に主語というものを使わないんだよね。

大学受験ではキツくでるわよ。


...なんてそんなことを思いながら、その後のべにの言葉に耳を傾ける。


「いま入ってきた情報によるとね、

なんとひとり、サイコパス役が殺されるらしいよ

...まるで、見せしめみたい」


その言葉に一瞬にして体が固くなるのを感じた。

“殺されるらしい”、“見せしめ”。

そんな言葉、身近で聞くことないと思っていた。


でもその常識は、一瞬にして崩されることになるんだ。


そんなことは、このサイコパスゲームという場所___無法地帯___では、当たり前のことなんだから。

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