サイコパスゲーム
まるで、夫婦漫才だ。

傍からみたらどんなに滑稽だろう。

べにがこちらを睨んでいる。

けれどあたしは...康人とずっと笑っていた。


「はぁ~、笑った笑った。

よかった、ナツ、元気になった」


康人がペタリとへたりこみ、腹を押さえる。

あたしも沢山笑って、もういっぱいだった。


「ありがと康人。少し元気になったかも」

にひっと笑うと、康人も呆れたように笑った。


「全く、女子同士、うまくやれよな。

...ほら、べにのとこ、行ってこい!」

あたしは頷いて、べにの元へ走った。


「べにっ!」

「ナツ!...こほん、何?」

「あのねっ、あたしっ...」


『ガーッ、トントン。

お待たせ致しました!暴動は収まりました。

ながらくお待ち頂き、申し訳ございません。

サイコパス役の1人には、見せしめとして、死んでいただきます。


...カモォーン!』

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