サイコパスゲーム
教室に戻り、席につく。

今日提出の課題がバッグに入っていることを確認して、あたしは麗楽々の席に近寄った。

「麗楽々~、数学の課題、持ってきた?」

麗楽々の顔が、その瞬間真っ青になる。

「やばい、やってすらいない」

「馬鹿」

どうやら麗楽々は、課題をやっていないらしく、そのプリントすら持ってきていないらしい。

プリントがあれば、いまから片付けることも出来るのに...。

「しょーがないな。あたしのコピーしな」

書き込んであるから、バレるかもしれないけど。

いちかばちか。しょーがない。

麗楽々は目にたっぷり涙を溜めて、

「ありがとう」

と言った。

こうやってすぐに嘘泣きが出来るところは、素直に尊敬する。


あたしは麗楽々にほとほと呆れながらもプリントをコピーしてやった。

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