サイコパスゲーム
おもわず、

「すごい...」

と吐き出すようにいう。

麗楽々は、そう?と笑った。


麗楽々はお金持ちだが、お父さんとお母さんの仲が悪いらしい。


たまに夫婦喧嘩をしていて、鬱陶しいらしい。

けれどやはり金持ちはいいなぁ。

素直にそう思う。

しかし、麗楽々はそんなに嬉しそうではない。

やはり、麗楽々には麗楽々なりの悩みがあるのだろう。

ゲストルームに移動し、

ベッドに寝っ転がる。


「散々だったね、ナツ。
あたしはナツといる時間が増えて嬉しいけど」

「あたしもだよ」

無理して笑った。

あたしも勿論、麗楽々と長くいれることは嬉しい。

けれど、さっきの怖さ...恐怖は。

ああもう、思い出したくもない。

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