サイコパスゲーム
首を左右にふるあたし。

そんなあたしを見て、先生は不思議そうに首をかしげた。


___でもあたしは、舞美ちゃんたちのことを言わなかった。

いや、言えなかった。

さっきは、イジメが久しぶりだったからつい助けを求めてしまったけれど、


いまは改めてイジメの理不尽さを理解した。

いま先生に言いつけても、また舞美ちゃんたちに言いくるめられてしまうだろう。


だからあたしは、それ以上なにも言わず、先生の側をすり抜けて保健室を出たのだった。


☆☆☆

教室では、舞美ちゃんたちがクラスの中心で喋り散らしていた。


「そんでさぁ~、ナツが助けを求めようとしたんだよ?

うちらが遮ったから、誰も助けなかったけどね」

キャハハハ、と緑ちゃんたちも笑う。

クラスメイトは適当に相槌を打っていた。

ゴクリと唾を飲み込んで、ドアを開ける。


ガラッ

クラスがしーん、と静まり返った。

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