サイコパスゲーム
☆☆☆

体育館裏への道のりは長かった。


いや、普通なら数分の道のりなのたが、緊張からとても長く感じてしまったのだ。


「ほら、見なよ」

舞美ちゃんは俯いているあたしに強くいった。


足元の石がじゃり、と音を立てる。

憂鬱な気分で顔を上げた先にいたのは...!

あたしが1番嫌いな人物。


「ナツちゃん、待ってたよ」



大河先輩だったのだ......。

慌てて身を翻し、逃げようとする。


しかし、すぐに舞美ちゃんたちに取り押さえられてしまう。


___そうか、待ってるってこういう事だったのか。


そこでやっと気付いた。


舞美ちゃんは大河先輩と手を組み、あたしになにかしようとしている。


“あたしをいじめたい”舞美ちゃんと、

“あたしが好きな”大河先輩。

利害は一致している。

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