天使がついてる
美しい天使に触れる


「こんにちは」

天使はにっこりした。

「君、天使なの?私死ぬの?」

「天使?分からないけど、君は死なないから安心して」

そう言って天使はにこにこして笑った。

年は13歳くらいだろうか。

それにしてもなんて綺麗なんだろう。
日本人にはない、彫りの深い艶っぽい二重まぶた。瞳の色は、深い森のような緑かと思えば、光の加減によって木漏れ日のような柔らかな金色に見えたりする。
とにかく、輝いていた。

ずっと見ていたい顔だけど、少年もこちらをずっと見つめてくるので思わず目をそらしてしまう。


そして私は何を思ったのか、ふと少年の頬に触れてみた。

少年は少し驚いたような顔をしたが、すぐに嬉しそうに私の頬にも触れてきた。

少年の頬はとても暖かくて、ちょっと熱いくらいだった。熱があるのだろうか。いや、そんな具合の悪い様子にも見えない。

「天使って暖かいんだ…」

私は思わず呟いていた。

天使はクスクス笑った。
濃くて長い睫毛の下から少年の瞳が見つめてくる。

「なんだろう、君はもう天使ってことにするね」

「うん、それでいいと思うよ」

彼の危機感のないほのぼのした笑顔を見ているとなんだか自然と笑顔になる。

なんか訳わかんないけどまぁいいや。美少年に会えたんだし。

「よろしくね。天使くん」

「よろしくね」

私は天使の両手を包み込んだ。
天使は嬉しそうに翼をばさばささせた。
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