ヤンキーやめます!
入学式を終えて、生徒たちは玄関で新しい友達との会話を楽しんでいた。
この高校にはやっぱりあたしみたいな奴はいなくて、あたしの見た目にビビった女子たちはあたしに話しかけてこなかった。
まあ別にそんなことはどうでもいい。
入学式が終わるころに中学の頃の仲間たちがこの高校の前に来てくれるらしい。
みんなが楽しそうに談笑しているこの状況から抜け出したいけど、あいつらが来るまでここにいなきゃいけない。
早くしろよな。
イライラと貧乏ゆすりしていると、背の高い男の子が目に入った。
楽しそうに隣の男子と話している横顔は、さっきあたしが写真を撮ったあの男の子だった。
どんな話してるんだろ…。
ちょっと気になったあたしは、少しだけ彼の近くに移動した。
聞こえてきたのは、入試の点数がどうとか、中学の頃の話とか、他愛もない話。
へえ、そんな話するんだ。
あたしはあんまりしない話だったから、ついつい感心してしまう。
と、その時。