ヤンキーやめます!
『は!?ママ何言ってんだよ!あたしが新山高校なんか行けるわけないだろ!』
セミの声がうるさいリビングであたしは叫んだ。
『今から頑張れば行けるって〜。先生も言ってたしさ』
軽そうないかにも頭の悪そうな話し方をするママ。
いや、ママは本当に頭が悪い。
パパはすごく頭が良くて、何でこんな人と結婚したんだろうといつも思う。
『勉強なんかしたくねぇもん!高校なんてどこでも行けんだろ!』
受験勉強をしたくない一心で抵抗する。
『あんたはパパに似て元から頭が良いんだから大丈夫よ〜』
『だからって新山高校は無理だろ!』
ママの勧める新山高校は1、2を争う進学校。
どう考えてもあたしみたいなヤンキーの行く高校じゃない。
自慢じゃないけど、定期テストなんてまともに受けたことないからどんなテストも30点以下。
成績だって「2」と「1」ばっかり。
そんなあたしが頭良い人がごろごろいる新山高校に行けって?
本当に馬鹿だろ!!