甘い罠
出会い
「いってきます」
引っ越しも終わり、今日から新しい学校。
お弁当とトマトジュースを持ち、家を出る。
ヴァンパイアは食事もきちんと取る。でも、血の代わりになるトマトジュースは飲まないと死んでしまう。
電車に15分ほど乗っていると見えてくる学校。
何度も引っ越しているからと言って、転校というのはなれるものではない。
うるさい心臓を抑えながら、職員室を探す。
しかし後者が広いため、なかなか職員室らしいき所は見つからない。
「なんでこんなに無駄に広いのよ…」
誰かに聞くわけにも行かないし…
先生が誰か通り過ぎないかな??
そう思い後ろを振り返ると、人がこちらに向かって猛スピードで走ってくる。
ドンッ))
気づいた時には、私は床に尻もちをついていた。
「痛い…」
「ごめん!前見てなかった」
腰を擦りながら謝る彼の方に目をやると、綺麗な黒髪のイケメンがいた。
きっとモテるんだろうなぁ。
別にそういうのには興味がないため、私は颯爽と立ち上がった。