甘い罠
「一弥、朝ごはん食べないの〜?」
ん?なんであいつの声が目覚ましより先に聞こえるんだ??
疑問に思いながら時計を見る。
「なんで目覚まし止まってるんだよ!!!!!!」
俺はダッシュで飛び起き制服を着て1階におりた。
「遼!お前目覚ましの電池取っただろ!!」
「だって無かったんだもん」
「だからって俺の目覚ましから取るなよ!!」
俺と遼は幼なじみで両親が2人とも海外で仕事しており、なぜか一緒に暮らすことになった。
朝練に高1が先輩より後に来るなんてありえない。
よりにもよって、今日は俺が部室のカギを取りに行かなければいけない日。
「俺とりあえず先に出るからな!」
「食パン1枚だけでも食べながら行きな」
「サンキュー」
まあ、なんだかんだこいつがいてくれて嬉しかったりするんだけどね。