秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~
「まあっ、コルネリアったら心配性ね。私にはヴィリーがいるのよ? 他の人に興味なんてないわ」
「だってあんなに素敵な人なら、誰だってきっと恋に落ちるわ」
「嫌ね、のろけているの? いい? コルネリア。誰にも運命の人は決まっているのよ? 私はもう運命の人に出会っているのだから、揺らいだりはしないの。おそらくはギュンター様もよ? あなたは自信をもってそれを受け入れなさいよ」
「そうかしら」
「クラウスは、あんなに積極的に女性を口説くギュンターは初めてだって言ってたわよ」
「口説くって……」
体が熱くなってくるのを感じて、コルネリアは頬を押さえる。
これが運命だというのなら、この先どんな障害があっても乗り越えられるのだろう。
それをたやすくこなすギュンターのことは疑いなく想像できる。心配なのは自分のほうだ。
彼の隣にいたいならば……自分も強くならなくてはいけない。
「コルネリア、女は夫を信じることで強くなるのよ」
エリーゼの熱の入った言葉がすとんと胸に落ちる。
「そうね。信じるわ、彼を」
白薔薇に決意を告げるように、コルネリアは胸に手を当てた。