秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~
*
第二王子クラウスは芸術面に造詣の深いということで、彼の管理する宮には二階ともつながった、壁画が美しい円形の大広間がある。
時にここで演劇を披露したり、音楽会を催したりするのだ。
一階中央の扉を開けると、すでに仮面で仮装した男女がたくさん集まっていた。
大広間の中央を囲むように置かれたテーブルには、ドリンクや軽食が並べられており、休憩のためのソファも随所に置かれている。
奥にある、二階へと続く階段の手前では、弦楽器奏者たちがワルツを奏でている。中央では、すでにパートナーを見つけた男女が練習とばかりに体を動かしていた。
クラウスに肘で小突かれ、ルッツはおびえたように背筋を伸ばす。隣にはこの屋敷を切り盛りしている執事が控えていて、クラウスに命じられるまま、段取りを説明し始めた。
「ご、ご参加の皆様、本日はようこそお越しくださいました。本日の趣向は仮面舞踏会。身分や家柄にこだわらず友好を深める会になればと、我が主、クラウス様もおっしゃっております。本日は主も身分を隠して出席しております。どうぞ、無礼講で楽しんでいってください」
時々つっかえたり震えたりしながらもルッツが言い終え、途中からは心配で見ていられなかったギュンターもほっと胸をなでおろした。
ルッツがへなへなとその場に座り込むと、クラウスがからかうように鼻で笑う。
第二王子クラウスは芸術面に造詣の深いということで、彼の管理する宮には二階ともつながった、壁画が美しい円形の大広間がある。
時にここで演劇を披露したり、音楽会を催したりするのだ。
一階中央の扉を開けると、すでに仮面で仮装した男女がたくさん集まっていた。
大広間の中央を囲むように置かれたテーブルには、ドリンクや軽食が並べられており、休憩のためのソファも随所に置かれている。
奥にある、二階へと続く階段の手前では、弦楽器奏者たちがワルツを奏でている。中央では、すでにパートナーを見つけた男女が練習とばかりに体を動かしていた。
クラウスに肘で小突かれ、ルッツはおびえたように背筋を伸ばす。隣にはこの屋敷を切り盛りしている執事が控えていて、クラウスに命じられるまま、段取りを説明し始めた。
「ご、ご参加の皆様、本日はようこそお越しくださいました。本日の趣向は仮面舞踏会。身分や家柄にこだわらず友好を深める会になればと、我が主、クラウス様もおっしゃっております。本日は主も身分を隠して出席しております。どうぞ、無礼講で楽しんでいってください」
時々つっかえたり震えたりしながらもルッツが言い終え、途中からは心配で見ていられなかったギュンターもほっと胸をなでおろした。
ルッツがへなへなとその場に座り込むと、クラウスがからかうように鼻で笑う。