空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
あたしには、昴くんの姿は見えない。


見えないし聞こえないし、涼くんが言うみたいに、何となく気配を感じることもできない。


それはたぶん、あたしは二人ほど、昴くんと親しくなかったからなんじゃないかと思う。


だから昴くんの幽霊と言われても、正直ピンと来ない。


だけどあたしは……梨沙を信じてる。


どんな時だって、梨沙のことだけは信じてる。


だから梨沙が、昴くんの幽霊が現れたって言った時、あたしは一も二もなくそれを信じた。


幽霊なんてこのITだとかが全盛の時代に何それって感じだけど、梨沙がそう言うってことは、昴くんの幽霊は確かにいたんだろう。


梨沙がそう言っているのなら、きっとそうなんだ。


そう、心から信じてる。


思えば梨沙だけだった。


どんな時でもあたしのことを信じてくれて、味方でいてくれた。


梨沙はあたしに初めてできた……本当の友だちだったんだ。


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