空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「……行くよ」


部室で機材らしきものをいくつか手に取ると、涼くんが次に向かったのは屋上だった。


「屋上って、鍵がかかってるんじゃなかったっけ?」


「ああ、それなら平気だよ。俺たちは合い鍵を持ってるから」


昴がそう言う。


「え、合い鍵?」


「そう。だいぶ前に先輩に作ってもらった」


「それ、許可とかは」


「ない」


「ええー」


それって、完全に校則違反だよね。


突っ込むと、「俺、記憶喪失だから詳しいことはわかんね」と昴はとぼけていた。い、いいのかな……


そんなそこはかとなく出所がグレーな合い鍵で、屋上へのドアを開ける。




するとそこにあったのは――


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