空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「わあ……」



一面の、星空だった。


真っ暗な空にきらきらと鮮やかに輝いている、広大な星の海。


都会の真ん中だっていうのに、まるでコントラストをつけたみたいに星がはっきりと見える。


「すごい、学校の屋上じゃないみたい……」


「……ここは、特別だから」


涼くんが言う。


「……近くに他に高い建物がなくて、余計な光がないから、よく星が見える穴場なんだ」


「そうなの?」


「……うん。だけど少し足を伸ばせば、もっといい場所はたくさんある。電車で三十分いくだけで格段に違うよ」


「へー」


そういうものなんだ。


「……この辺りだと、大晴山が一番かも」


涼くんがぽつりと言った。


「大晴山……」


それって、昴が事故に遭った……


もしかしたら、涼くんなら何か詳しいことを知っているかも。


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