空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
不意打ちだった。


そんなこと、これまでまったく考えてこなかったし、意識もしてこなかった。


言葉を返せずにどうしていいか分からなくなってしまう私に、涼くんは静かに言った。


「……返事、今度でいいから」


「え、あ、う、うん……」


それからすぐに、ボートに乗ってレスキューの人たちが来てくれた。


救命胴衣を着させられて、私たちは無事に陸に帰り着くことができた。


砂浜では泣き顔の紗英が「うわーん、梨沙、無事でよかったよぉ……」と抱きつきながら迎えてくれた。紗英には心配かけちゃったな……


その後、病院に行くか訊かれたけれど、特に体調におかしなところはなかったし、あんまり大事にしたくなかったからそれは断った。




こうして、海水浴は終わった。


だけど私の頭の中は、涼くんの言葉でいっぱいだった。


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