空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~

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それは中学三年の夏のことだった。


梅雨が終わって、本格的に暑くなり始める、七月の第一週。


私は、薄暗くなった中学校の前にいた。


時間は八時過ぎ。


下校時刻はもうとっくに過ぎていて、遅くまで部活をやっていた生徒たちももう帰ってしまっている時間だ。


どうしてこんな時間に学校にいるのかというと、英語のノートを忘れてきてしまったから。


本当なら気付かなかったことにしたかったけど、明日までの宿題があるため、仕方なく取りに戻ったのだった。


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