空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
最初は、何も見えなかった。


屋上は真っ暗で明かり一つなくて、どこに人がいるのかなんてぜんぜん分からない。


でも次第に目が闇に慣れていくにつれて、だんだんと屋上の輪郭がはっきりとしはじめてきた。


男子だった。


地面に寝転びながら、細長い筒みたいなものを覗きこんでいる。


制服を着ているということは、うちの生徒なのかな。


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