空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「昨日も思ったんだけど、夜の学校って少し不気味だよね」


「ん、そうか?」


「うん、真っ暗で静かで、人気がなくて……」


「何だか幽霊でも出てきそう?」


一ノ瀬くんがこっちを見てにやりと笑う。


「え? あ、ううん、それはないかな。私……幽霊は信じてないから」


「そうなのか?」


「うん」


幽霊なんて、いない。


子どもが信じている空想で、物語の中にだけあるもので、現実にはあり得ないものだ。


私が小学生の頃、大好きだったお祖母ちゃんが亡くなった。


私は泣いた。


涙が涸れちゃうんじゃないかってくらいに泣いた。


お祖母ちゃんは、生前からある程度自分の死期を悟っていたのか、「私に何かあったら、きっと幽霊になって梨沙に会いにいくからねえ」と、優しく言ってくれていた。


でも、お祖母ちゃんが幽霊になって私の前に現れることはなかった。


ずっと待っていたけれど、夢枕に立つことさえなかった。


その時から、私は幽霊なんて信じていない。


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