空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「……最近、昴といっしょに星を見てたのって、あんただったんだ」


と、話が終わったのか、羽矢川くんが声をかけてきた。


「え? あ、うん」


「……そっか。昴、何か楽しそうだったからさ。あんたのおかげなのかな」


「え……」


楽し、そう?


昴が……?


それって、少しは私といっしょにいて楽しいって思ってくれてるってことなのかな……


あ、でも、昴は単純に星を見るのが楽しいだけかも。


ううん、だけど、もしかしたらほんの少しは私といっしょで退屈しないと思ってくれてるかもしれないし……


何だか、考えれば考えるほど分からなくなってくる。


そんなことを考えていると、羽矢川くんが小さく笑っていた。え、何で?


「……あんたって、面白いね」


「え?」


「……仔犬みたいに表情がクルクルと変わる。見ていて飽きない」


「そ、そうかな……?」


「……うん、あんたとは仲良くなれそう」


涼くんは昴とは、まったく正反対だった。


どちらかと言えば積極的で行動的な昴と、知的で落ち着いた雰囲気の涼くん。


男っぽい昴と、中性的な涼くん。


だけど二人ともすごく仲が良くて、傍から見ていても心が通じ合っているのが分かる。


男同士の親友って、こういう二人のことを言うんじゃないかな。


見ていてそう思わせてくれる関係だった。


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