チョコレートコスモス(男編)





酔いつぶれて目が覚めると、馴染みの我が家の天井が視界に入る。
机に突っ伏して寝ていた体を起こすと、
抜けてないお酒が頭の中で震えた。
握りしめていたスマホの送信画面には、来るはずのない彼女宛にメッセージを出していた。

『       』

その内容に思わず苦笑いをしてスマホを机に放り投げる。
そして、水を取りに台所へと向かった。

そのまま水を飲み干していると、光る画面が視界に入る。

スマホが、メッセージの着信を告げていた。

彼女からの連絡が来ないことが怖くて、ずっとマナーモードを消していたのだ。
躊躇いながらスマホの画面を見ると、来るはずのない彼女からの着信だった。
すぐにメッセージを開く。

『いつまでも娘を憶えていてくれて、有り難うーーーーー』

その内容は、彼女のお母さんからのメッセージだった。








心が少し、軽くなった気がした。

END
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