冬のアイス
「そう、なんだ」

ケースの中からお姉ちゃんに頼まれたハーゲンダッツと、ついでに私も違う味の奴を選んだ。
お駄賃だから高いの買ってやれ、って思ってたのもあるけど、早い鼓動のせいでよく考えられないものある。

レジに行くと相原くんも後ろからついてきた。
お金を払って店を出る。
相原くんを待つべきかちょっと悩んだけど、まあ、挨拶くらいはして別れた方がいいかな。

「じゃあ、また。
明日、学校で」

「は?送るから」

なぜか怒ってる相原くん。
というか。

「えっ!?いいよ、別に!すぐそこだし!」

「なに云ってんの?
こんな時間に女の子ひとりとか、危ないだろ」

「……じゃあ、お願いします」

いっつも女子はうざい、とか云ってるくせに。
急にそんなこと云われると、なんか調子が狂う。
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