冬のアイス
ポケットに手を突っ込み、歩き出した相原くんのあとを歩く。

無言。

ふたりの呼吸の音と、足音だけが静かに響く。

「……あのさ」

「……うん」

「またこんな時間にコンビニ行くときは、連絡しろよ。
ついて行ってやるから」

「えっと。
別にいいよ。
近いし」

「あのなー」

ガシガシとあたまを掻いた相原くんが、凄い勢いで三歩の距離を詰めてきた。

「俺が!嫌なの!」

「なんで?」

私の首が傾くと同時に、はぁーっと大きなため息が相原くんの口から落ちた。
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