冬のアイス
「……原田が好きだから、なんかあったら困るっつーの」

「えーっと?」

ぼそぼそと呟くように云った相原くんが、ちらりと私の顔を窺う。

……もしかして、いま、好きとか云いましたか?

理解した途端、あたまが音を立てて爆発した。
黙ってしまった私に、赤くなってる相原くんがさらに追い打ちをかける。

「俺は原田が好きだから」

何度口をぱくぱくさせたって、出るはずの言葉は出てこない。
心臓が暴走して壊れそう。
それでも深呼吸を繰り返し、どうにか言葉を絞り出す。

「……私も、相原くんが、……好き、だよ」

俯いていた顔を上げてみえたのは、満月をバックに嬉しそうな相原くんの笑顔。
私も嬉しくて笑ってた。

「……手、つないでいい?」

「……うん」

そっと相原くんの手が私の手を掴む。
ほんの少しの距離だけど、とってもとっても嬉しかった。
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