チョコレートコスモス(女編)


「商品入れ替えして、いつものヨーグルト置かなくなっちゃったんですよ」

コンビニの店員に話しかけられた。


上々島くんはいつもここで買い物していたから覚えられていたらしい。
どうせ“ヨーグルトの人”とでも裏で呼ばれているのだろう。


「いやーでも、可愛い人ですよね、彼氏さん」


フレンドリーに話しかけてくるこの店員は、上々島くんと仲が良かったのだろうか。

彼は人見知りなどとは無縁で、よく色んな人に話しかけていた。
この人もその一人なのだろう。


「『冷蔵庫開けたらオレのこと思い出すっしょ?』
って、毎回彼女んちにヨーグルトの買い置きしてるって楽しそうに話してましたよ」


バカだ。
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