命短き、花初恋。
後日。








先生に聞いても、やっぱり








「里倉 なみ」という人物はいなかった。








さぁ、








ところで、僕は余命1ヶ月な訳だけど。








どうやって過ごそうかな。








どうせ、両親はいないし








悲しむ人はいない。








だから。








そんな事を考えていたら








「図書室、来ちゃった。」








入ると、落ち着く匂い。








あ。








今日もいる。








水元さん。








彼女を横目に、いつも僕が座っている椅子








に座る。








僕はカバンからブランケットを出す。








しばらくそれを眺めていたら、








「あの…宮崎くん。」








「…水元さん。どうしたの?」








「それ…」








彼女は、ブランケットを指差す。








「これ、水元さんの?」








「…はい。図々しかったですか?」








「うんん。ありがとう。」








「…よかった…」








そう言って、彼女は安堵の笑顔を浮かべる。








心臓ごと飛び跳ねた。
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