命短き、花初恋。









「じゃ、今日はまだ仕事があるので。」








「えー。僕が頼むから、まだ一緒にいよー








よ。」








「ダメですよ。仕事を後回しにしたら、どん








どん自分の首を締めますから。それに、他








の人の迷惑にもなります。編集って、単独








行動に見えて、意外と連帯行動なんです








よ。」








「…そーいうとこ。」








「え…?」








「僕、桜のそーいうとこが好き。」








「…?」








「分かんないならいいけどさ。ねぇ、お別れ








のギューッ!」








「…本当に、たらしになったのね…」








私は呆れながら呟く。








「桜は特別。ね?」








私は舞音くんに抱きつく。








すると、首筋に柔らかく、温かいものが押








し付けられる。








「え…?」








「これ、桜が俺のだって印。悪い虫が付かな








いよーにね。」








「…1番タチの悪い虫は目の前に居るけど。」








「こ、こらっ!桜!」








「冗談よ。私も、大人になったから。それく








らいの、駆け引きはできるわ。じゃ、行く








ね。」








そう言って、私は玄関をでる。








「はぁぁぁぁっ!」








私は、玄関をでてすぐに座り込む。








「なんて、事…言ったんだ…私。」








恥ずかしい…
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