命短き、花初恋。
「おい、水元!」
「はい!」
部長が私を呼ぶ。
「最近、里倉先生が調子いいみたいじゃない
か。さすが、水元だな。」
「ありがとうございます。」
「表現が、豊かだね。」
「私も、担当していてやりがいを感じていま
す。」
「それは、良かった…それはそうと。お前、
健康診断は受けたか?」
「いえ。書類はいただきましたが、まだ診察
は受けていません。」
「そうか。一応、この会社は健康診断は義務
化されてるからな。まぁ、お前は若いから
まだ何も引っかからないと思うけどな。」
「そうですね。」
私はこの時、気付かなかった。
私に、
タイムリミットが迫っていた事を。