命短き、花初恋。
「あーあ。血も出てんじゃんよ。」








私たちは近くの公園のベンチに腰を下ろす。








転んだ時に膝を擦りむいたらしく、自分の








のハンカチを濡らしてして、優しく拭って








くれる。








「すみません…」








「いいよ。大丈夫。」








島津さんは、近くにあった自動販売機で、








ココアを2本買った。








「はい。」








「あ、すみません。何円でしたか?」








「いーよ。このくらい。」








島津さんは私の隣に座る。








「何があったの?…って、水元が泣いている








って事は、里倉先生絡みでしょ?」








私は、黙って俯く。








「…俺に、話せない事?」








「…子供。」








「え?」








「子供がいるみたいなんです…」








「子供が…いるって…誰に?」








「里倉先生…に」








「え…それは、誰との…?」








「夏笑、という…女性でした。」








「それで…」








「正直、本当かどうかなんて、わかりませ








ん。でも、その女性が来た時に、舞音くん…








私の方を見て、困った顔をしたんです…それ








がショックで…」








「…水元。」








突然、島津さんに抱き寄せられる。








「島津さん…っ」








「…俺なら…」








「え…?」








「俺なら、水元を絶対に泣かせないのに…」








「そんな、事…」








「好きだ。困らせてるのはわかってる。で








も、今の水元を見て…放っておけない。」








「…」
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